インド占星術では、12ハウスは各々の特性からいくつかの属性に分類されます。
下記の通りです。
ハウス名の隣の( )内表記は力の強さの順を表しています。
トリコーナハウスは別名「ラクシュミースターナ」とも呼ばれ、幸運をもたらすハウスと言われています。
前世に積んだ善行の結果として幸運を享受します。
このハウスを支配もしくは在住する惑星は、生来的な凶星であっても良い働きをするとされています。
トリコーナハウスに惑星が多い人は、道徳性や宗教性が高い傾向があります。
ケンドラハウスは別名「ヴィシュヌスターナ」と呼ばれ、人生に強い影響力を与えるハウスと言われています。
西洋占星術でいうアンギュラーハウスに該当します。
このハウスに在住する惑星は保護を受け力が強められます。
このハウスを支配する惑星は生来的な吉凶が弱められます。
すなわち、生来的吉星がケンドラハウスを支配する場合は吉意が弱まり、生来的凶星がケンドラハウスを支配する場合は凶意が弱まります。
ケンドラハウスに惑星が多い人は良くも悪くも目立ち、吉星が多い人は高潔で、凶星が多い人は不誠実になる傾向があります。
ドシュタナハウスは困難や不幸と関連するハウスです。
惑星がこのハウスに在住する場合は凶意が強くなります。
惑星がこのハウスを支配する場合は、6ハウスでは凶意が強くなり、8室・12室では中立であるとされています。
しかし、8室または12室を支配する惑星が他の凶意のあるハウスを支配していると強い凶星となります。
ドシュタナハウスに惑星が多い人は、世間一般とは異なっていたり社会的な困難を抱えたりする傾向があります。
ウパチャヤハウスは、最初は困難を伴いますが努力をすることで道が切り開けるハウスです。
10室だけは例外で凶意がありませんが、このハウスを支配する惑星は凶意が強まりますので、11室、6室、3室は凶ハウスとも呼ばれています。
生来的吉星がこのハウスに在住する場合は、人と争うことなどが苦手でしょう。
生来的凶星がこのハウスに在住する場合は、ハードワーカーとして働くことが暗示され、吉とされています。
マラカハウスは寿命の時期に関連するハウスです。
生命を表すハウスは3室と8室ですから、そこから12番目のハウスである2室と7室は生命の損失を意味します。
トリコーナハウスを支配する機能的吉星、ケンドラハウスを2つ支配する水星と木星はマラカとならないとされています。
また、インド占星術の古典では太陽と月はマラカにならないとされています。
3室、6室、8室、11室、12室のいずれかを支配している土星がマラカハウスの支配星と関連するとマラカとしての強い影響力を生み出します。
一般的に「マラカの惑星」というと、2室・7室の支配星・在住星を指します。
これらに加えて、2室・7室の支配星とコンジャンクトする凶星、月から見たマラカ、マハダシャーの惑星から見たマラカなどにも着目することがあります。
中立ハウスを支配する惑星は基本的には中立です。
太陽・月以外の惑星は2つのハウスを支配しますので、中立ハウス以外のもう片方のハウスの影響を受けます。
もう片方のハウスがトリコーナハウスの場合は悪影響はありませんが、ウパチャヤハウスの場合は悪影響が出て2室はマラカ、8室・12室はドシュタナとしての凶意が強まります。
パナパラハウスに在住する惑星は、並の力を発揮できますがその力はケンドラハウスの半分だと言われています。
西洋占星術でいうサクシーデントハウスが該当します。
アポークリマハウスに在住する惑星は、パナパラハウスの半分の力を発揮することができます。
力はあまりなく地味なハウスとなります。
西洋占星術でいうケーデントハウスが該当します。
上述のハウスに惑星が支配・在住する場合の吉凶を下表にまとめました。
ハウスの分類 | 該当ハウス | 支配星 | 在住星 |
---|---|---|---|
トリコーナハウス | 9室>5室>1室 | 吉 | 吉 |
ケンドラハウス | 10室>7室>4室>1室 | 吉星は凶、凶星は吉 | 吉 |
ドシュタナハウス | 8室>12室>6室 | 6室は凶、8室・12室は中立 | 凶 |
ウパチャヤハウス |
11室>6室>3室 |
凶 | 吉星は中立、凶星は吉 |
マラカハウス | 2室>7室 | 凶 | 凶 |
中立ハウス | 2室・8室・12室 | 中立 | 中立 |